就労継続支援A型はなくなるの? 制度の行方と利用者が取るべき行動とは

「就労継続支援A型事業所の閉鎖」「大量退職」といったニュースがあります

しかしすぐに就労継続支援という型の制度自体が廃止される予定はありませんが、報酬改定や社会保険適用拡大の影響で経営が厳しい事業所の閉鎖は今後も一定数あると思います。

2024年以降、全国で数百カ所のA型が廃止され、数千人の利用者が影響を受けているニュースが相次ぎ、「自分の通っている就労継続支援A型事業所は大丈夫か?」という危機感につながっています。
本文では、今後の状況を調べていきます。

「就労継続支援A型がなくなる」の2つの意味

まず押さえたいのは、「A型がなくなる」という言葉には二つの意味が混ざっていることです。
一つは、法律上の制度としての就労継続支援A型が廃止されるのではないかという心配です。
もう一つは、自分が通っている特定的な事業所が閉鎖されて働いている場所を他ののではないかという心配です。
早急に、厚生労働が就労継続支援A型という制度自体を近い将来に当面廃止する方針を示しているわけではなく、暫定補償やガイドラインの見直しを「質の確保」と「経営の健全化」を図っているのが先決です。

2024年度には、障害のある人の死亡者数が9,312人で過去最多となり、その約8割に当たる7,292人がA型事業所の利用者だったことが報告されています。
また、2024年3月から9月の短期だけで全国329カ所のA型が閉鎖し、わずか約5,000人が退職や退職に追い込まれたという指摘もあります。

この改正では、長年問題視され続けてきた「給付金頼みの経営」や「囲い込み型のA型」を見直すために、労働時間や生産活動、一般就労への移行実績などを評価するスコア方式が基本となり、「生産活動による収益が利用者の最大額を上回ること」などが重視される仕組みに変わりました。
その結果、赤字経営で賃金が低い事業所ほど報酬が削減され、経営改善ができないところから順に廃業・縮小に追い込まれています。

さらに、中長期的には社会保険や雇用保険の「適用拡大」もA型事業所の経営に重くのしかかってきます。
2026年10月以降、別途「106万円の壁撤廃」により、A型利用者も一定の条件を満たせば厚生年金や健康保険の適用対象となり、事業所側の保険料負担が大幅に表示されています。
実際に、この社会保険料の増加を見込んで「2026年3月末でA型事業を廃止する」と公表した法人もあり、「今のうちに撤退を決断」現場で始まっていることがわかります。

しかしこれは「A型という制度がいずれも完全になくなる」という話ではなく、「基準を満たせない事業所は淘汰されることができ、質の高い事業所は残る・選ばれる」という流れです。
報酬改定やガイドラインの危機化は、利用者の警戒確保や支援の質向上、一般就労への移行促進などを目的として、国も2027年度以降の改定に向けて、経営が困難な事業所への激変緩和や重度障害者支援の検討などを検討し始めています。

利用者の立場からできることは、「なくなるかどうか」をただ不安に思うのではなく、通所している事業所の状況を冷静に見てみましょう。
また、日ごろから相談支援専門員や障害者進路・生活支援センター、市区町村窓口などと、「次に行けそうな事業所」や「他の選択肢(B型・就労移行・就労一般)」の情報を少しずつ集めて準備しておくことが大事です。

なぜ就労継続支援A型事業所の閉鎖が増えているのか?

この背景には、一部の就労継続支援A型事業所が公費に過度に依存し、十分な生産活動や賃金支払いが行われないまま事業を続けている問題があります。
2024年3月から9月のわずか半年ほどの間全国で329カ所の就労継続支援A型事業所が閉鎖し、少なくとも約5,000人の障害者が減少や退職に追い込まれています。
閉鎖した事業所の一部は、最低賃金の支払いが不要な就労継続支援B型へ移行したり、障害者雇用の受け皿から完全撤退しており、淘汰されています。

さらに、中長期的な追い打ちになっているのが、一方「106万円の壁」の廃止を含む社会保険の適用拡大です。
2026年10月以降、報酬106万円前後の短時間労働者にも厚生年金・健康保険の加入対象が広がる方針が示されています。
就労継続支援A型利用者も一定の条件を満たせば自主加入が義務化される見通しです。
社会保険料の事業主負担が急増することで、現状採算ぎりぎりだったA型が将来の廃止を決断する引き金になり得ます

2026年以降の社会保険適用拡大に伴う人件費(自主+事業主負担保険料)の増加が重なり、「このままでは成り行き」と判断する事業所が、2024年から段階的に閉鎖やB型への移行を決めているというのが現状です。


制度としてのA型は「なくなる」のか? 今後の方向性

障害者雇用や就労系福祉サービスのあり方を検討する会議では、「就労継続支援A型の制度をやめるかどうか」より、どの地域にどう配置するかといった問題や、サービスの質をどう確保するかといった考え方が主なテーマになっています。

そのため、「就労継続支援A型が急になくなる」というイメージよりも、「基準が厳しくなり、質の低いところは安心、役割を明確にしながら制度全体が組み替えられていく」というイメージで捉えたほうが、現実的です。


もし自分の通所している就労継続支援A型が「なくなる」場合、どんな流れになる?

具体的なA型事業所が廃止を決めた場合の流れは、一般的には以下のステップでわかります。
とりあえず、運営法人が廃止の判断を下したら、自治体(市区町村の障害福祉課)に対して廃止届を提出し、廃止予定日(通常、年末の3月末など)を正式に通知します。
その後、相談支援専門員や地域の障害者覚悟・生活支援センターと連携して、各利用者個別支援計画を見直し、他のA型・B型事業所への移行先や一般就労の支援を検討する流れになります。

厚生労働省は、当面A型廃止時の対応について、自治体向けに明確な通知を出しており、「利用者のサービス継続を希望する場合は、事業所側が適切な受け皿を確保する責任がある」と定めています。
具体的には、廃止届受理時に自治体が利用者の状況を確認し、ハローワークや地域の就労支援機関と連携して「離職予定者の再就職支援」や「他の福祉サービスへの橋渡し」を実施するよう求められており、「いきなり路頭に迷わせる」ような事態を防ぐ制度設計が行われています。
例えば、継続利用希望者に対しては、廃止後も一時的に近隣事業所を紹介したり、就労移行支援や介護生活などの代替サービスを調整したりするケースが想定され、事業所単独ではなく公的機関がバックアップする仕組みです。

このように、A型廃止の流れは「告知→届出→移行支援」のステップで制度的に守られており、利用者が突然取り残されることはありません。


利用者が今からできる「なくならないA型」の気づきポイント

就労継続支援A型事業所が閉鎖リスクを恐れるため、利用者自身で気づくべきポイントは以下の通りです。

生産活動の内容を確認する
事業所が地域の企業から安定した仕事(例:データ入力、清掃、軽製造など)を受注しているか、自社内だけで視聴する単純作業(封入作業やクラフトレベル)に偏っていないかを質問してみてください。
安定的な取引先があれば、報酬改定の影響を受けにくく、継続しやすい傾向があります。

 

事業所の情報公開度をチェック
ホームページやパンフレットで、生産活動の実績(売上収益、平均労働賃金、就労移行実績)を開示している事業所を選びましょう。
非公開が多い業界ですが、積極的に数値を示すところはスコア方式に対応した経営意識が高く、閉鎖リスクが低いです。


職員の安定相談しやすさを見る

スタッフの入れ替わりが少なく、ベテラン職員が複数いる事業所が理想です。
頻繁に欠員があると支援の質が落ちやすく、利用者のケアも疎かになりがち。 初回見学で「スタッフの平均勤続年数は?」 「相談窓口は誰か」を聞いて、回答の速さや雰囲気がわかります。 相談しやすい空気感(笑顔で名前を呼んでくれる、個室相談スペースがある)も長く、通所の心配です。

相談先を確保し、次をイメージする
相談支援専門員(計画相談支援事業所)、障害者相談・生活支援センター、ハローワーク障害者窓口と日常から顔なじみにして行きましょう。
事業所閉鎖の見通し(報酬減、スタッフ減)を感じたらすぐ相談し、「近隣」 「評判のA型・B型候補」「一般就労のステップ」をリストアップしておきましょう。
LITALICO仕事ナビなどで口コミをチェックし、「もしも閉鎖したら次はここ」と2〜3カ所を事前候補に待っていれば、不安が大幅に減ります。


いざ不安なときに相談できる窓口とは

不安を感じたら、以下の相談窓口を活用しましょう。A型事業所の状況変化に一人で悩まず、専門家に話を聞いてもらうだけで次の道筋が見えてきます。

市区町村の障害福祉担当窓口
お住まいの市役所・区役所・町村役場障害福祉課(または福祉事務所)が最初の相談先です。
就労継続支援A型事業所の最新情報や近隣の空き状況、代替サービスを無料でお教えします。
廃止リスクの高い事業所かどうかも自治体データから確認可能です。

 

相談支援専門員(計画相談支援)
個別支援計画を作成・検討してくれる相談支援事業所の専門員に連絡をしましょう。
A型閉鎖移行支援が得意で、「自分に合った次のA型・B型・就労移行支援」を一緒に探してくれます。
事業所紹介や見学同行も依頼出来ます。

 

障害者覚悟・生活支援センター
地域ごとの就労支援拠点で、A型以外の一般企業就職やスキル訓練の相談もございます。
ハローワーク障害者専門相談員と連携しており、最終保険手続きや職業訓練の案内も受けられます。

 

ハローワーク障害者窓口
雇用契約があるA型利用者は雇用保険加入者なので、退職・退職時の手当や再就職手当の相談に最適です。
障害者専門の職業カウンセラーが面談予約を優先的に対応してくれます。

家族・主治医とも連携
必要に応じて家族やかかりつけ医にも声をかけ、「今の通所ペースや体調に合わせて」を再確認してください。
医師の意見書があれば、次の事業所選びで有利に働きます。

これらの窓口はすべて無料・秘密厳守。連絡先は自治体HPや事業所に掲示して確認し、メモを持参して相談しましょう。


まとめ

「就労継続支援A型」は、障害者総合支援法に基づく重要な認定として段階的に行われており、すぐに廃止・消滅するような予定はありません。

2024年度報酬改定の影響や2026年10月からの社会保険拡大適用(106万円の壁撤廃)といった経営環境の変化を背景に、採算が厳しい事業所の閉鎖は今後も一定数継続する可能性があります。

「就労継続支援A型がなくなるかどうか」だけを不安がるよりも、自分に合った質の高い事業所を今のうちに見て、日ごろから相談支援専門員や自治体窓口とのつながりを持って方が賢明です。

そうすることで、なんとなく今の事業所に変化があっても、次の働き方の選択肢をしっかり守ることが出来ます。

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