就労継続支援A型でも年末調整はある?対象者・必要書類・注意点をわかりやすく解説
「A型でも年末調整ってあるの?」
「収入が少なくても書類は出すの?」
「扶養に入っているけど大丈夫?」
就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結んで働く仕組みです。
そのため、一般の会社と同じように“年末調整”の対象になります。
とはいえ、税金や控除の話は難しく感じるもの。
特に初めて就労継続支援A型で働く方にとっては、不安や疑問も多いのではないでしょうか。
この記事では、
就労継続支援A型でも年末調整が必要な理由
提出する主な書類
扶養や障害者控除のポイント
よくある注意点
を、できるだけわかりやすく解説します。
年末調整の基本を知っておくことで、
「知らなかった」「出し忘れた」といったトラブルを防ぐことができます。
就労継続支援A型でも年末調整は必要?

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A型は「雇用契約あり」
就労継続支援A型は、事業所と利用者のあいだで雇用契約を結ぶ仕組みです。
そのため、働く形は「福祉サービス」ではありますが、法律上は会社で働くのと同じ“雇用”の形になります。就労継続支援B型との大きな違いもここにあります。
就労継続支援A型はあくまで「雇用型」であることがポイントです。 -
最低賃金が発生
就労継続支援A型では、都道府県ごとに定められている最低賃金以上の賃金が支払われます。
これは一般企業と同じ扱いで、働いた時間に応じて給与が発生します。
そのため、「工賃」ではなく「給与」として支給されるのが特徴です。
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給与所得として扱われる
就労継続支援A型で受け取るお金は、税法上は給与所得として扱われます。
つまり、
アルバイトやパートと同じように、・毎月の給与から所得税が差し引かれることがある
・源泉徴収票が発行されるといった仕組みになります。
「福祉だから税金は関係ない」というわけではない点に注意が必要です。
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年末調整の対象になる
就労継続支援A型は雇用契約に基づく給与支払いがあるため、
一般企業と同じように年末調整の対象になります。年末調整とは、1年間に支払った税金の過不足を調整する手続きのことです。
・払いすぎた税金が戻ることもある
・追加で支払うことになる場合もあるそのため、事業所から案内される書類はきちんと提出することが大切です。
年末調整とは?

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1年間の所得税を精算する手続き
年末調整とは、1月から12月までの1年間にかかった所得税を計算し直す手続きのことです。
毎月の給料からは、あらかじめ目安の税金が差し引かれています。
しかし、その金額はあくまで「概算(おおよそ)」です。
そのため、年末にあらためて正しい税額を計算し、払いすぎや不足がないかを確認します。 -
毎月の源泉徴収の過不足を調整
給料明細を見ると、「所得税」という項目があり、毎月少しずつ税金が引かれている場合があります。
これを源泉徴収(げんせんちょうしゅう)といいます。
ただし、
・扶養家族がいる
・保険料を支払っている
・障害者控除の対象になっているなどの事情によって、本来の税額は変わります。
年末調整では、こうした情報をもとに正しい税額を計算し、毎月引かれていた金額との「差」を調整します。 -
還付されることもある
もし毎月の源泉徴収で税金を多く払いすぎていた場合は、その分が戻ってきます。これを「還付(かんぷ)」といいます。
年末最後の給料で、税金が戻ってきて「少し多く振り込まれる」こともあります。
反対に、不足している場合は、追加で少し引かれることもあります。
就労継続支援A型利用者が提出する主な書類

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扶養控除等申告書
「扶養控除等申告書(ふようこうじょとうしんこくしょ)」は、誰を扶養しているかを会社(事業所)に伝えるための書類です。
たとえば、
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配偶者(夫・妻)
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子ども
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親
などを自分の収入で養っている場合、税金が軽くなる制度があります。
この書類を提出することで、毎月の所得税が正しく計算されます。
就労継続支援A型事業所でも、雇用契約があるため提出が必要です。年の途中で入所した場合でも、原則として提出します。
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保険料控除申告書
「保険料控除申告書」は、1年間に支払った保険料を申告するための書類です。
対象になる主なものは、
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生命保険料
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地震保険料
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国民年金保険料
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国民健康保険料 など
これらを支払っていると、税金が軽くなる可能性があります。
保険会社や市区町村から届く「控除証明書」を添付して提出します。
就労継続支援A型利用者の方でも、国民年金や国民健康保険を支払っている場合は、忘れずに確認しましょう。
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配偶者控除関連書類
配偶者(夫・妻)がいる場合、
その収入状況によっては配偶者控除や配偶者特別控除が受けられます。ポイントは、
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配偶者の年間収入はいくらか
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扶養に入っているかどうか
という点です。
就労継続支援A型で働いている方が配偶者の扶養に入っている場合は、
「どちらが控除を受けるのか」も大切になります。収入の状況によっては扶養から外れる可能性もあるため、事前に確認しておくと安心です。
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障害者控除について
就労継続支援A型利用者の方にとって特に重要なのが「障害者控除」です。
障害者手帳を持っている場合、税金が軽くなる障害者控除の対象になる可能性があります。
控除の区分には、
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一般の障害者
-
特別障害者
などがあり、控除額が異なります。
注意点として、
-
本人が自分で控除を受ける場合
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家族が扶養控除とあわせて受ける場合
のどちらになるのかを確認する必要があります。
どちらで申告するかによって、世帯全体の税額が変わることもあります。
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障害者控除はどうなる?

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本人が障害者の場合は控除対象
障害者手帳を持っている場合、税法上の「障害者控除」の対象になります。
就労継続支援A型で働いている場合も、雇用契約に基づく給与所得があるため、年末調整で障害者控除を受けることが可能です。
控除の区分には、
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一般の障害者
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特別障害者
があり、障害の程度によって控除額が異なります。
この控除を申告することで、所得税や住民税が軽減される場合があります。
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家族が扶養に入れているケース
就労継続支援A型で働いていても、年間収入が一定額以下であれば、家族(親や配偶者など)の扶養に入っている場合があります。
その場合、
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本人ではなく
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扶養している家族側が
「扶養控除+障害者控除」を受けることになります。
特に実家暮らしで、親が扶養しているケースではよく見られます。
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どちらで控除するかの注意点
障害者控除は、
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本人が受けるのか
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扶養している家族が受けるのか
を整理する必要があります。
基本的には、
✔ 扶養に入っている → 家族が控除を受ける
✔ 扶養から外れている → 本人が控除を受けるという形になります。
もし両方で申告してしまうと、税務上の修正が必要になる可能性があります。
また、就労継続支援A型の収入が増えて扶養から外れると、家族側の税金が上がることもあるため注意が必要です。
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年収いくらから税金がかかる?
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就労継続支援A型の平均年収イメージ
就労継続支援A型は雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が支払われます。
勤務時間や地域の最低賃金によって差はありますが、
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1日4~6時間勤務
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週5日程度
という働き方の場合、年収はおおよそ100万円前後〜150万円程度になるケースが多いです。
もちろん、
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短時間勤務の場合はもう少し低くなる
-
フルタイムに近い勤務なら高くなる
など、個人差があります。
自分が「年間でいくらくらいになるのか」は、年末調整や扶養の判断にも関わるため、一度確認しておくと安心です。
参考記事:就労継続支援A型の給料はいくら?時給・月収・年収・手取りをわかりやすく解説 -
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所得税が発生するライン
就労継続支援A型の給与は「給与所得」として扱われます。
ただし、収入が一定額以下であれば、所得税はほとんどかからない、または0円になる場合もあります。
一般的には、給与収入が年間103万円以下であれば、所得税はかからないケースが多いです(扶養控除等申告書を提出している場合)。
ただし、
-
扶養の有無
-
障害者控除の適用
-
保険料控除の有無
によって実際の税額は変わります。
毎月少し税金が引かれていても、年末調整で戻ってくることもあります。
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-
住民税との違い
税金には主に、
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所得税(国に納める税金)
-
住民税(市区町村に納める税金)
の2種類があります。
所得税
・その年の収入に対してかかる
・年末調整で精算される住民税
・前年の収入に対して翌年にかかる
・6月頃から通知が来ることが多い住民税は自治体によって基準が少し異なりますが、おおよそ年収100万円前後を超えると発生する可能性があります。
「所得税はかからなかったのに、住民税の通知が来た」というケースもあるため、違いを知っておくことが大切です。
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よくある質問

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年収が少なくても提出する?
はい、原則として提出が必要です。「年収が少ないから税金は関係ない」と思っていても、
就労継続支援A型は雇用契約を結んでいるため、年末調整の対象になります。たとえ所得税がかからない場合でも、
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正しく税額を計算するため
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払いすぎた税金を戻してもらうため
に、書類の提出が必要です。
提出しないと、税金が多めに計算されてしまうこともあるため注意しましょう。
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途中入社でも必要?
はい、途中から働き始めた場合でも必要です。その年の途中でA型事業所に入った場合でも、
その事業所で支払われた給与分について年末調整を行います。もし以前に別の会社で働いていた場合は、前職の源泉徴収票が必要になることがあります。
年の途中で転職や異動があった場合は、事業所に必ず伝えましょう。
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他でアルバイトしている場合は?
他の場所でもアルバイトをしている場合は注意が必要です。
年末調整は、基本的に1か所のみで行います。
もし、
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A型とアルバイトを掛け持ちしている
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複数の勤務先がある
場合は、どこで年末調整を行うのかを確認する必要があります。
もう一方の収入については、自分で確定申告が必要になるケースもあります。
「ダブルワークをしているかどうか」は必ず事業所に伝えましょう。
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-
扶養から外れる?
就労継続支援A型の収入が増えると、家族の扶養から外れる可能性があります。
一般的な目安としては、
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年収103万円(所得税の扶養目安)
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年収130万円(社会保険の扶養目安)
が一つの基準になります。
扶養から外れると、
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家族の税金が上がる
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自分で社会保険に加入する必要が出る
といった影響が出ることがあります。ただし、障害のある方には特例がある場合もあるため、状況によって異なります。
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事業所側が気をつけるポイント
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書類説明を丁寧に
年末調整の書類は、専門用語が多く、初めて記入する利用者にとっては非常に分かりづらいものです。
「とりあえず書いてください」ではなく、
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なぜこの書類が必要なのか
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どこを書けばいいのか
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どんな人が対象なのか
を、かみ砕いて説明することが大切です。
特に就労継続支援A型では、税金の仕組み自体を初めて経験する利用者も少なくありません。
記入例を用意する、個別に確認の時間を設けるなど、安心して提出できる環境づくりが重要です。
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障害者控除の説明
就労継続支援A型利用者の多くが障害者控除の対象となる可能性があります。
しかし、
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本人が控除を受けるのか
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扶養している家族が受けるのか
を理解していないケースもあります。
誤って二重に申告してしまうと、後日修正が必要になることもあるため注意が必要です。
事業所としては、
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控除の区分(一般・特別)
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扶養との関係
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世帯での申告状況の確認
について、事前に丁寧に説明しておくとトラブル防止につながります。
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ダブルワーク確認
就労継続支援A型利用者の中には、他でアルバイトをしている方もいます。
年末調整は原則1か所でしか行えないため、
他の勤務先がある場合は必ず確認が必要です。確認を怠ると、
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税金の過不足が発生する
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利用者が後から確定申告をする必要が出る
といった事態につながることもあります。
年末調整前に、「他で収入はありますか?」「前職はありますか?」
といったヒアリングを行うことが重要です。
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まとめ
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A型は雇用契約なので年末調整あり
就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結んで働く仕組みです。
そのため、給与の支払い方法や税金の扱いは、一般の会社で働く場合と同じになります。毎月の給与から所得税が差し引かれている場合は、1年間の税額を計算し直す「年末調整」の対象になります。
「福祉サービスだから税金は関係ない」というわけではなく、雇用である以上、年末調整は毎年必要な手続きです。
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書類提出は必要
たとえ年収が少なくても、原則として年末調整の書類は提出します。
扶養の状況や保険料の支払い状況、障害者控除の有無などによって、最終的な税額が変わることがあるためです。
書類を提出しないと、
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税金が多めに計算される
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本来戻るはずの税金が戻らない
といった可能性もあります。
事業所から案内があったら、内容を確認し、期限までに提出しましょう
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不安があれば事業所へ相談
年末調整の書類は専門用語も多く、「何を書けばいいのかわからない」と感じる方も少なくありません。
扶養のことや、障害者控除のこと、他でアルバイトをしている場合など、迷うポイントは人それぞれです。
わからないまま提出するのではなく、気になることがあれば遠慮せず事業所の担当者に相談しましょう。
年末調整は、税金を正しく計算するための大切な手続きです。
一人で悩まず、確認しながら進めることが安心につながります。
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